M子さんは大学卒業後、始めて実家を出て
一人暮らしをしながら会社勤めをすることになりました。
初めての一人暮らしですのでM子さんは物件探しをとても真剣にやりました。
- 会社から通勤が便利なこと
- 日当たりがいいこと
- 部屋の間取りがいいこと
- 清潔感があること
などを中心にして、部屋探しをしました。
親にも同伴してもらい、やっと「ここがいい」と思える物件を決めました。
引っ越す前、M子さんの母親は
「ご近所には愛想よくして、いい人だと思われるようにするんだよ。
ご近所の方には、いつお世話になるかわからないんだから」
と言い聞かされました。
貸家暮らしでは愛想を良くし過ぎると、足元を見られることがある。
借りる部屋は5階建てのマンションの4階、日当たりもよく
リフォームされて部屋は白で統一され、とても素敵に見えました。
引っ越しをしてから、M子さんは、母親と一緒にお菓子を持って
ご近所に挨拶に回りました。
ご近所の皆さんは、それぞれ感じが良く、M子さんは安心しました。
でも、その部屋は深夜になると、騒がしくなる部屋だったのです。
マンションでは時間帯によって騒音が起きることがあります。
原因は、上階の住民でした。ご主人が毎日夜中に帰ってくるらしく
ご主人が家に戻ると、子供と奥さんが、バタバタとかけ出して
玄関まで迎えに出ます。
その後、ご主人が、子供と遊ぶらしく、ドタン、バタンという
騒音が1時間位続きます。
騒ぐ時間が、よる7時とかならいいのですが、
その家族は夜中の12~1時くらいまで騒ぐのです。
おまけに朝5時には子供の騒ぐ音がします。
会社勤めをしているM子さんは、朝6時頃には置きなければならず
すっかり寝不足になってしまいました。
ある日曜日、エレベーターで上階の奥さんと出会いました
上階の奥さんは
「いつもうるさくしてすみません」
とM子さんに挨拶しました。
「ご近所とは仲良く」
と、母親に言い聞かされていたM子さんは、とっさに
「いいえ、こちらこそ」
と言ってしまいました。
その後、上階の人は、時々、お菓子を持ってきてくれるようになりました。
M子さんも時々、お返しに果物を差し上げたりしています。
M子さんは上階の家族とは仲良くなった、と思います。
ですが、仲良くなっても騒音が気にならい、ということはありません。
M子さんは、今だに寝不足で困っています。
2年後の更新の時までには、この部屋を引っ越そうと決めました。
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